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2026年04月17日
日本の機関投資家、仮想通貨ポジティブ見通し30%超。野村HD・レーザーデジタル調査(楽天インサイト実施・運用担当者518名)

野村ホールディングスとそのデジタルアセット子会社レーザーデジタルホールディングス(Laser Digital Holdings AG)は2026年4月16日、「2026年デジタルアセット投資動向に関する機関投資家調査」を公表した。独立系調査機関・楽天インサイトが、2025年12月16日から2026年1月29日にかけてオンラインで実施し、日本国内の機関投資家・ファミリーオフィス・公益法人に在籍する運用担当者518名が参加 coinpost。2024年6月の前回調査から全般的にセンチメントが改善したことが確認された。https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nhi20260416.html
主要な結果は以下の通り。仮想通貨に対する今後1年間の見通しを「Positive」と回答した割合は31%で、前回2024年6月調査の25%から6ポイント上昇。「Negative」は23%から18%へ5ポイント低下した。回答者の65%が仮想通貨を分散投資の機会と捉えており、前回の62%から上昇。今後3年間で仮想通貨に投資したいと考える回答者のうち、79%が「投資予定あり」と回答し、想定する配分比率は「2〜5%未満」が60%を占めた Yahoo!ニュース。
投資理由としては「分散投資の機会を捕捉するため」が最多で、「他運用資産と低相関であるため」も重視された。その他デジタルアセット領域でも、ステーキング/マイニング(66%)、レンディング/担保ローン(65%)、デリバティブ(63%)、トークン化アセット(65%)と、いずれも6割超が「興味あり」と回答 Yahoo!ニュースしている。
この結果は、日本の機関投資家マネーが仮想通貨・デジタル資産へ本格流入する素地が整いつつあることを示す。背景には、レーザーデジタルが2026年中にも日本で暗号資産交換業への登録を申請する方針で、大和証券やSMBC日興証券も参入を検討、2028年の仮想通貨ETF解禁をにらみ大手証券が体制整備を加速 coinpostしている状況がある。前回調査時点(2024年6月)では、機関投資家が投資しない理由として「適正価格などの分析手法が確立されていない」(32%)、「不正流出などのリスクへの懸念」(29%)、「価格変動の大きさ」(25%)が挙げられていたが、これらの懸念が徐々に緩和されたことが今回のセンチメント改善につながったとみられる。日本の機関投資家マーケットは「観望フェーズ」から「準備フェーズ」へ明確に移行した。
## 事業開発インサイト
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## ① 機関投資家の"静かな参入準備"が本格化 ── 2026〜2028年が事業開発の勝負どころ
調査の最重要ポイントは「31%がポジティブ」ではなく、79%が「投資予定あり」、60%が「2〜5%未満の配分を想定」という具体的な行動意思の数字だ。日本の機関投資家運用資産残高(生保・年金・投信を合計で概ね900兆円規模)の2〜5%が仮想通貨に流入すれば、理論上18〜45兆円規模の需要が見込まれる。現在の国内暗号資産市場の取引量・時価総額規模を根本的に変える数字で、2028年のBTC ETF解禁が現実の引き金になる可能性が高い。
事業開発への示唆:
- 2026〜2027年は「機関投資家向けインフラ整備期」と位置づけ、①プライムブローカレッジ、②機関グレードカストディ、③オフ/オンランプ、④法人KYC/AMLプロセスの高度化を前倒しで準備する合理性が高い
- 野村・大和・SMBC日興といった大手証券の参入加速を踏まえ、独立系事業者(bitFlyer、SBI VC、coincheck、GMOコイン、DMM等)は機関投資家向け特化プロダクト(例:API取引、OTCデスク、STP対応、マルチシグカストディ)での差別化が急務
- 外資系プラットフォーム(Coinbase Institutional、Anchorage、Fireblocks、Copper等)の日本上陸とのアライアンス競争が本格化
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## ② 「ビットコイン」ではなく「デジタルアセット全体のポートフォリオ組入」に関心の軸が移っている
注目すべきは、ステーキング/マイニング66%、レンディング65%、デリバティブ63%、トークン化アセット65% Yahoo!ニュースと、BTC現物取引を超えてデジタルアセット全領域に6割超の関心が広がっている点だ。これは機関投資家が「投機資産としてのBTC」ではなく、「新たな資産クラス / イールド源泉 / インフラとしてのブロックチェーン」を評価し始めていることを示す。
事業開発への示唆:
- イールド商品の拡充:USDC/USDT/JPYCのレンディング、ETHステーキング、リキッドステーキング(Lido、Rocket Pool)、リステーキング(EigenLayer)を「機関投資家向けイールドメニュー」として統合提供する商機
- トークン化アセット事業:国内外のトークン化国債、不動産、社債、商品(ジパングコイン等)をパッケージ化した「デジタル分散投資ソリューション」は、生保・年金・ファミリーオフィス向けに大きな市場機会
- デリバティブインフラ:現物から先物・オプション・永久先物へと需要が広がる中、国内事業者のデリバティブ取引プラットフォーム開発(またはHyperliquid・Deribit等との提携)が差別化要素に
- 商品設計のヒント:機関投資家が求めるのは「ブロックチェーン技術への直接エクスポージャー」ではなく、「既存のアセットアロケーションに組み込みやすい標準化された器」(ETF、投信、ラップ型信託、トークン化ファンド)である点を徹底する
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## ③ "不参加の理由"が構造的に解消されつつある ── 情報・教育・チャネル整備が次の成長ドライバー
前回(2024年6月)調査では、不参加の理由として「分析手法が確立されていない」(32%)、「不正流出リスク懸念」(29%)、「価格変動」(25%)が上位だった。これらはそれぞれ、①オンチェーン分析・リサーチツールの成熟(Glassnode、Nansen、CoinMetrics等)、②機関グレードのカストディ・保険の整備(State Street、BNY Mellon等の本格参入)、③ETF・トークン化商品による間接保有、で構造的に解消されつつある。今回のセンチメント改善は、これら3つの「壁」が徐々に低くなった結果と読み解ける。
事業開発への示唆:
- 機関投資家向け教育・リサーチサービス:日本語での機関投資家向けに特化したデジタルアセット・リサーチレポート、コンプライアンス研修、運用ガイドライン策定支援等のB2Bサービスは、希少性が高く参入しやすい領域
- カストディ・保険連携モデル:国内信託銀行(三菱UFJ信託、三井住友信託)や損保各社と連携した「機関投資家向けデジタルアセット保管・保険バンドル」の商品化機会
- "分析手法の標準化"がビジネスチャンス:機関投資家がまだ懸念している「適正価格評価」の課題に対し、オンチェーンバリュエーション・モデル、ファクター分析、リスクパリティ組入比率計算などのクオンツツール/コンサルは、運用会社・投資顧問向けの新規事業として有望
- "2028 ETF解禁"をゴールに据えた3年計画:今回の調査は、業界団体(JCBA、JVCEA、金融ISAC等)が機関投資家教育と制度設計提言のロードマップを策定する上で、定量的な根拠として活用可能
監修
石田陽之(いしだあきひさ)
Cabinet株式会社 代表取締役
2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。
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