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「償還の約束」を持たない円――暗号資産担保型「JPYdf」が開く、円のオンチェーン流動性の第二のエンジン
ステーブルコイン
DeFi
2026.09.25

「償還の約束」を持たない円――暗号資産担保型「JPYdf」が開く、円のオンチェーン流動性の第二のエンジン

暗号資産型の円ステーブルコイン「JPYdf」の開発に携わるDeltaForesightが、Coral Capitalをリード投資家に累計3億2,400万円を調達した。JPYdfは、ETHやUSDCを担保に借り入れる形で発行され、日本円での償還を約束する発行者を持たない。そのため法的には電子決済手段ではなく暗号資産に分類される。円の預金残高を裏付けとするJPYCやJPYSCとは異なり、世界の暗号資産の流動性を起点に円建ての取引を生み出そうとする試みであり、円のオンチェーン化にもう一つの経路が加わったことを意味する。

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鉄道会社が「金融の入口」になる――SBIとJR九州の「JQ BANK」が示す、ポイント経済圏から資産運用・暗号資産への導線
金融スーパーアプリ
事業開発
2026.09.25

鉄道会社が「金融の入口」になる――SBIとJR九州の「JQ BANK」が示す、ポイント経済圏から資産運用・暗号資産への導線

SBIグループ4社とJR九州は、JR九州のWeb会員専用の金融スーパーアプリ「JQ BANK」(仮称)の共同開発で基本合意した。サービス開始は2027年度中を目指す。銀行機能を外部に提供するBaaSに証券機能まで組み込むのは鉄道業界初とされ、基盤には暗号資産やステーブルコイン決済も組み込まれる予定だ。500万人規模の顧客接点を持つ鉄道会社が、預金から資産運用、デジタル資産までの入口を担う構図は、金融サービスの顧客獲得競争のあり方を大きく変えうる。

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「置き換え」ではなく「包み込む」――DTCCが10月に始動するトークン化サービスと、既存インフラが描くオンチェーン化の設計図
トークン化有価証券
金融インフラ
2026.09.25

「置き換え」ではなく「包み込む」――DTCCが10月に始動するトークン化サービスと、既存インフラが描くオンチェーン化の設計図

米国の証券決済・保管を一手に担うDTCCが、トークン化サービスを10月に本格始動させる。対象はラッセル1000構成銘柄、主要指数連動ETF、米国債で、預かり資産の母体は114兆ドル(約1京7,900兆円)にのぼる。この動きの核心は、ブロックチェーンが既存の決済インフラを置き換えることではない。既存の法的な台帳を維持したまま、その「デジタルの写し」を登録済みウォレットで24時間流通させるという設計にある。オンチェーン金融の主導権が既存インフラ側に移りつつあることを示す転換点である。

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円ステーブルコインの競争は「発行」から「用途の囲い込み」へ――EJPY実証に26社、無償プログラムが示す普及戦略
ステーブルコイン
ブロックチェーン基盤
2026.09.24

円ステーブルコインの競争は「発行」から「用途の囲い込み」へ――EJPY実証に26社、無償プログラムが示す普及戦略

Japan Open Chain(JOC)を運営する日本ブロックチェーン基盤が、発行準備中の信託型円建てステーブルコイン「EJPY」を軸とした実証プログラムを始めた。東芝、SCSK、八十二長野銀行、福岡県田川市など26社・団体が参加を表明している。参加費は無償で、期間は2027年2月までの約半年である。JPYC、JPYSC、トークン化預金と円建てデジタル決済手段が相次ぐなか、勝敗を分けるのは発行体の数ではなく、実際の業務の中にどれだけ組み込まれるかだ。本件はその競争が本格化したことを示している。

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「台帳」から「暗号学的ワールドコンピューター」へ――ヴィタリック・ブテリン氏が描くイーサリアムの転換と、金融機関が備えるべき3つの変化
Ethereum
耐量子暗号
2026.09.23

「台帳」から「暗号学的ワールドコンピューター」へ――ヴィタリック・ブテリン氏が描くイーサリアムの転換と、金融機関が備えるべき3つの変化

イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、上海で開かれた第12回グローバル・ブロックチェーン・サミットで講演し、ブロックチェーンが「取引を記録する台帳」から「暗号技術で安全性を担保された計算の基盤」へ移行しつつあると語った。ゼロ知識証明はもはや遠い将来の構想ではなく、具体的な改善提案(EIP)の段階に入ったという。暗号技術が決める対象も、「誰が何を送れるか」から「誰が何を見られるか」へと広がる。プライバシー、量子コンピューターへの耐性、コードの安全性保証という、金融機関がパブリックチェーンの利用をためらってきた三つの論点に、技術側から回答が出始めたことを示す講演である。

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格付け会社が監査会社を買った日──S&Pグローバルのオープンゼッペリン買収が示す「コードリスクの格付け化」
スマートコントラクト
セキュリティ監査
2026.09.17

格付け会社が監査会社を買った日──S&Pグローバルのオープンゼッペリン買収が示す「コードリスクの格付け化」

S&Pグローバルが、ブロックチェーンセキュリティ企業オープンゼッペリンの買収契約締結を発表した。同社のライブラリは37兆ドル超の価値移転を支え、主要ステーブルコインとトークン化ファンドの大半がその標準の上に構築されている。格付け会社が技術リスクの評価能力を内製化するという構図であり、スマートコントラクトの安全性が「監査済みか否か」から「どの水準か」という比較可能な指標へ移行する局面を意味する。

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「売らずに借りる」が定着した弱気相場 ― 担保銘柄の入れ替わりが映す暗号資産クレジットの構造変化
動産担保融資
暗号資産税制
2026.09.04

「売らずに借りる」が定着した弱気相場 ― 担保銘柄の入れ替わりが映す暗号資産クレジットの構造変化

オンチェーン分析企業クリプトクアントは、2026年の弱気相場において投資家が保有資産の売却ではなく「担保差入れによる借入」を選ぶ傾向を強めていると分析した。個人投資家の一人あたり平均借入回数は前年比74%増、富裕層でも18%増となり、担保に使われる銘柄はビットコイン一極からジーキャッシュやXRPを含む多極構造へ移行している。一方でGalaxy Researchによれば市場全体の貸出残高は縮小しており、「頻度は上がるが総量は減る」という一見矛盾した局面に入っている。

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発行体に拒否権はあるか ― AMC対ロビンフッドが露わにした「株式トークン」の正体
RWA
トークン化有価証券
2026.09.03

発行体に拒否権はあるか ― AMC対ロビンフッドが露わにした「株式トークン」の正体

米映画館大手AMCエンターテインメントのアダム・アロンCEOが、自社の承認を得ずに提供されているAMC株式トークンの取引停止をロビンフッドに要求し、同社は拒否した。争点は一見すると米証券法だが、法律家の見立ては違う。ロビンフッドの商品は株式ではなくジャージー法人が発行する債務証券であり、米国では提供されていない。この対立が突きつけているのは、上場企業が自社株を参照する金融商品の組成を止められるのか、という株式市場の根本に関わる問いである。

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ファントークンから「株式」へ ― セキュリタイズ×Socios提携が突きつける規制の器の容量問題
トークン化有価証券
ファントークン
2026.09.02

ファントークンから「株式」へ ― セキュリタイズ×Socios提携が突きつける規制の器の容量問題

RWAトークン化最大手のセキュリタイズと、スポーツのファントークン基盤Socios.comが、プロスポーツチームの少数持分株式をトークン化する提携を発表した。注目すべきは案件そのものより、これがEUのDLTパイロット制度下で認可されたセキュリタイズの欧州取引・決済システム経由の第一号案件になると明言された点にある。世界のプロスポーツフランチャイズ価値5,000億ドルという訴求の裏で、EU制度側には株式の時価総額5億ユーロ未満、インフラ全体で60億ユーロという厳格な上限が設けられており、この非対称こそが本件の実質的な論点である。

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「NFT墓」は何を売っているのか ― ブロックチェーンを冠した消費者サービスの読み方
NFT
ブロックチェーン
2026.09.01

「NFT墓」は何を売っているのか ― ブロックチェーンを冠した消費者サービスの読み方

タイ・バンコクのKARIBE (THAILAND) Co., Ltd.が、デジタル永代供養プラットフォーム「SATHU」の提供を開始した。タイ上座部仏教の寺院での読経と、LINEによる安否確認、そして「NFTデジタル墓」を組み合わせ、年間管理費は永久0円と謳う。墓じまいが年間17万件を超える日本の現実に応えようとする着眼点は理解できる。一方で、ブロックチェーンに関する開示は乏しく、公表されている技術的・法的な説明にはそのまま受け取れない記述が含まれる。事業評価の題材として整理しておく価値がある。

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税務書類がパブリックチェーンを止めていた ― 金融庁が求めた信託型ステーブルコインの調書免除
ステーブルコイン
暗号資産税制
2026.08.31

税務書類がパブリックチェーンを止めていた ― 金融庁が求めた信託型ステーブルコインの調書免除

金融庁は8月31日、令和9(2027)年度税制改正要望を公表し、信託型ステーブルコイン(特定信託受益権)について、受益者が変わるたびに受託者が負う二つの税務書類の提出義務を免除するよう求めた。「金融イノベーションの推進」の柱に置かれた主要要望はこの1件のみである。地味な事務手続きの話に見えるが、6月に発行が始まったJPYSCがいまだSBI VCトレードの口座内に閉じている理由がまさにここにあり、この要望が通るか否かが円建てステーブルコインのパブリックチェーン流通の可否を左右する。

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「自己管理型」の境界で消えた8,000万円 ── ステーブルコインカード基盤Rainの旧版契約が突いた委託先リスク
インシデント
セキュリティ
2026.08.30

「自己管理型」の境界で消えた8,000万円 ── ステーブルコインカード基盤Rainの旧版契約が突いた委託先リスク

ステーブルコイン建てカードの発行基盤を提供する米Rainのソラナ上スマートコントラクトが2026年8月28日に攻撃を受け、提携ネオバンクAviciの利用者1,685人のカード残高から50万859.22ドル(約8,000万円)が流出した。同基盤を使うTriaも影響を受けたが、利用者の自己管理型ウォレットは無傷だった。流出額そのものは小規模ながら、Visaプリンシパルメンバーとして年間30億ドル超を処理する基幹インフラの一契約版数の欠陥が、複数の提携先の顧客残高を同時に危険にさらした点に本質がある。

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日本の証書は「何時に発電したか」を知らない ── アワリーマッチング対応が民間台帳から始まる理由
脱炭素・GX
ブロックチェーン証明
2026.08.28

日本の証書は「何時に発電したか」を知らない ── アワリーマッチング対応が民間台帳から始まる理由

TISインテックグループのTISIとUPDATERは2026年8月28日、電力小売事業者向け基幹システム「エネLink」シリーズにアワリーマッチング対応機能の実装を開始したと発表した。UPDATERの電力トラッキングシステム「ENECTION」のマッチングロジックとブロックチェーン技術を組み込み、2026年12月のSaaS型サービス提供開始を目指す。この時期設定には理由がある。日本の公的な環境価値証書は発電した時刻の情報を持たず、その空白を埋める手段が民間の台帳しか存在しないまま、国際基準の適用期限が迫っている。

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430億円で買ったのは「決済できない市場」への座席 ── SBIのAjaib出資が突きつける法域の境界
ステーブルコイン
新興市場
2026.08.28

430億円で買ったのは「決済できない市場」への座席 ── SBIのAjaib出資が突きつける法域の境界

SBIホールディングスは2026年8月28日、インドネシア最大級のオンライン総合投資プラットフォームAjaib Groupへ2億7,000万ドル(約430億円)を出資し、株式20%を取得して持分法適用関連会社としたと発表した。円建て信託型ステーブルコイン「JPYSC」の流通促進が協業の柱に据えられている。だがインドネシアの現行法では、ステーブルコインを支払手段として使うことは明確に禁じられている。同じトークンが国境を越えると法的性質を変えるという事実こそが、この案件の本質である。

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1,500万件を載せた先にあるもの ── ケニアの学歴オンチェーン化が「チェーンに移らなかったもの」
ブロックチェーン証明
海外政府
2026.08.28

1,500万件を載せた先にあるもの ── ケニアの学歴オンチェーン化が「チェーンに移らなかったもの」

ケニア国家試験評議会(KNEC)は2026年8月3日、1989年以降の学歴記録1,500万件超をAvalancheのC-Chainに記録したと発表した。インドのLegitDocを技術基盤とし、最終的に約3,500万件への拡大を見込む。政府主導のブロックチェーン導入としては世界最大級である。しかし詳細を追うと、チェーンに載ったのは証明書そのものではなく検証用のハッシュであり、検証を行う権限はKNECが従来どおり握り、有料である。改ざん検知は分散化されたが、アクセスの門は中央に残った。

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民間が3年先を走る ── Strium年内テストネットが映す「制度設計より速い実装」
トークン化有価証券
オンチェーン金融
2026.08.26

民間が3年先を走る ── Strium年内テストネットが映す「制度設計より速い実装」

StartaleのCEO渡辺創太氏は2026年8月26日、SBIホールディングスと共同開発する金融特化型レイヤー1ブロックチェーン「Strium」について、年内のテストネット公開と2026年度内のメインネット稼働を目指す方針をXで明らかにした。同じ週、政府・日銀は国債・株式の即時決済インフラの検討会を立ち上げ、2027年初に整備計画をまとめると報じられている。稼働目標は2030年代前半。民間実装が公的インフラを3年以上先行するという、日本のオンチェーン金融における時間軸の二重構造が、この二つのニュースの並置によって初めて明確になった。

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ETHステーキング報酬をゼロにする案は、なぜ2日で頓挫したのか——EIP-8363論争の構造
ブロックチェーン
DeFi
2026.08.06

ETHステーキング報酬をゼロにする案は、なぜ2日で頓挫したのか——EIP-8363論争の構造

イーサリアムの新規発行報酬を段階的に焼却し、ステーキング比率が供給量の約50%に達した時点でコンセンサスレイヤー由来の利回りをゼロにする提案「Tapered Issuance Burn(EIP-8363)」が、2026年8月4日にドラフト公開された。Aave創業者スタニ・クレチョフ氏やether.fiのマイク・シラガゼ氏ら、ステーキング利回りの上に事業を築いた経営者が即座に反対を表明。8月6日のコア開発者会議を経て、この提案は次期アップグレードHegotáの検討リストに入らなかった。争点は技術ではなく、イーサリアムが誰のために何を最適化するのかという分配の問題である。

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「一定期間」が書かれていない要請——出庫制限11項目が暗号資産事業者に突きつけたもの
規制対応
暗号資産交換業者
2026.08.06

「一定期間」が書かれていない要請——出庫制限11項目が暗号資産事業者に突きつけたもの

金融庁と警察庁は2026年8月6日、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)に対し、暗号資産を用いた詐欺被害等の防止に向けた対策強化を連名で要請した。11項目にわたる内容の中核は、法定通貨入金後・暗号資産購入後の一定期間にわたる出庫制限と、出庫先アドレスの事前登録制である。事業規模を問わず全ての交換業者が対象となる。ただし制限期間も金額基準も、要請文には一切書かれていない。この「書かれていないこと」こそが、事業者にとって最も重い論点になる。

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「乱数」がひとつ壊れただけで、200億円が消えた——Coldcard事件を技術と社会の両面から読み解く
ウォレット
セキュリティ
2026.08.05

「乱数」がひとつ壊れただけで、200億円が消えた——Coldcard事件を技術と社会の両面から読み解く

ビットコイン専用ハードウェアウォレット「Coldcard」に5年間潜んでいた不具合が悪用され、2026年7月30日から大規模な流出が続いている。Galaxy Researchの集計では確認済みで約7,300アドレスから1,596BTC、未確認の第4波を含めると2,055BTC・約1億3,000万ドル(約208億円、1ドル160円換算)に達する可能性がある。原因は暗号技術の破綻ではなく、ソフトウェアのビルド設定を一行間違えたことによる「乱数の質の低下」だった。そして最も重い教訓は、被害額ではなく、利用者には自分の鍵が安全に作られたかを確かめる手段がなかったという点にある。

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「眠らないお金」が動き出した——JERA×JPモルガンとBISアゴラが示す企業財務の次の形
機関金融の決済レイヤー
クロスボーダー決済
2026.08.02

「眠らないお金」が動き出した——JERA×JPモルガンとBISアゴラが示す企業財務の次の形

日本最大の発電会社JERAのトレーディング部門が、J.P.モルガンのブロックチェーン預金口座を円建てで使う最初の企業になった。同じ週、国際決済銀行(BIS)主導のプロジェクト・アゴラが、実際の価値を乗せた国際決済の実証に成功し、平均約80秒での決済を記録した。両者は別々の仕組みだが、向かう方向は同じである。企業のお金が、銀行の営業時間ではなくビジネスの必要に応じて動く時代が始まりつつある。ただし、それは財務部門の人間が24時間働く世界を意味しない。

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オンチェーンはわずか0.4%——伊中銀が実測した「ステーブルコイン送金の真のコスト構造」
ステーブルコイン
クロスボーダー送金
2026.07.30

オンチェーンはわずか0.4%——伊中銀が実測した「ステーブルコイン送金の真のコスト構造」

イタリア中央銀行が、実際に200USDCを10の国際送金ルートで送るという異例の実証実験(ミステリーショッピング)の結果を公表した。総コストは送金額の0.30%から8.96%まで最大30倍近い開きがあり、ステーブルコインに体系的なコスト優位性は確認されなかった。ただし決定的なのは、コストの発生場所である。ブロックチェーン上の送金は平均わずか0.4%で、残りのほぼすべては法定通貨との「両替」段階、すなわちオンランプ・オフランプで発生していた。

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牛10頭で320万円——ブラジルの乳牛担保融資が示す、RWAの本当の価値は「流通」ではなく「検証」にある
RWA
AI・IoT
2026.07.29

牛10頭で320万円——ブラジルの乳牛担保融資が示す、RWAの本当の価値は「流通」ではなく「検証」にある

ブラジルの証券取引所・金融市場インフラ運営会社B3に、デジタル識別された乳牛を担保とする10万レアル(約320万円)の融資取引が登録された。金額としては極めて小さい。しかしこの取引には、実物資産のトークン化(RWA)が本当はどこで価値を生むのかという問いに対する、明快な答えが含まれている。それは資産を売買可能にすることではなく、担保としての信頼性を高めて掛け目を圧縮することである。組成に関わった当事者の証言によれば、従来は評価額の4割程度しか担保価値として認められなかった家畜が、継続的なモニタリングによって市場価値に近い水準で評価されうるという。

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「人間であること」の証明が、エージェント決済の前提になる——World日本代表就任会見が提起した論点
AIエージェント
ステーブルコイン
2026.07.28

「人間であること」の証明が、エージェント決済の前提になる——World日本代表就任会見が提起した論点

サム・アルトマン氏らが共同創設したプロジェクト「World」の日本事業を、Uber Japan元社長の髙橋正巳氏が率いることになった。7月28日に都内で開かれた会見で髙橋氏が示した見解は、デジタルIDの普及戦略にとどまらない。AIエージェントが人間に代わって買い物をする時代に、その取引を誰が承認したのかをどう証明するか——エージェントコマースの実装における最大の未解決問題が、そこにある。ステーブルコインが決済の裏側を担い、AIが表側を動かす構図のなかで、両者をつなぐ「権限の証明」の層が空白のまま残されている。

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誰がインフラを「所有」するのか——欧州10行の協同組合型ブロックチェーンRL1と、Visaの全レイヤー戦略
金融インフラ
ステーブルコイン
2026.07.28

誰がインフラを「所有」するのか——欧州10行の協同組合型ブロックチェーンRL1と、Visaの全レイヤー戦略

欧州の金融機関10社が、共同所有型のブロックチェーンネットワーク「Regulated Layer One(RL1)」をルクセンブルクの欧州協同組合法人として立ち上げた。特定企業が支配するプラットフォームではなく、全加盟機関が対等な議決権を持つ協同組合という統治形態を選んだ点に、この動きの本質がある。ほぼ同時期、Visaは四半期決算の場でステーブルコイン・スタックの全レイヤーに投資する方針を明確にした。トークン化金融の主戦場は、技術性能から「誰が基盤を所有し、誰が運営権を握るか」へと移っている。

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Base、「ソーシャル」から「グローバル金融」へ——責任者が戦略の誤りを公式に認めた異例の方向転換を読む
オンチェーン金融
AIエージェント
2026.07.16

Base、「ソーシャル」から「グローバル金融」へ——責任者が戦略の誤りを公式に認めた異例の方向転換を読む

Coinbaseが開発するEthereumレイヤー2「Base」の責任者ジェシー・ポラック氏が7月16日(日本時間)、これまで推進してきたオンチェーンソーシャル戦略を「明らかに間違っていた」と公式に認め、今後は「グローバル金融のためのブロックチェーン」構築に注力すると表明した。消費者向けBase Appの運営は著名投資家Cobie氏率いるCoinbase側へ移管される。2026年の重点は「取引・決済・エージェント」の3領域。業界全体が金融ユースケースへ収斂する転換点を象徴する出来事だ。

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暗号資産の金商法移管、成立直前の攻防——「サナエトークン」批判と全会一致の附帯決議14項目が示す制度の死角
規制・法律
国内
2026.07.14

暗号資産の金商法移管、成立直前の攻防——「サナエトークン」批判と全会一致の附帯決議14項目が示す制度の死角

暗号資産規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正案が7月14日、参議院財政金融委員会で賛成多数により可決され、翌15日の本会議で成立した。インサイダー取引規制の導入や情報公表義務化など「投資商品」としての規制体系が整う一方、委員会ではミームコインやDEX(分散型取引所)が規制の外に残る点への批判が出た。与野党共同で全会一致採択された附帯決議14項目は、法律本体が触れていない論点の一覧表として、事業者が今後の細則を読む上で重要な羅針盤となる。

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ソニー銀行、「音楽カタログ」を投資テーマとする米ドル建てデジタル証券——45,000曲超の版権取得を支える個人マネーの新回路
RWA
エンタメ
2026.07.13

ソニー銀行、「音楽カタログ」を投資テーマとする米ドル建てデジタル証券——45,000曲超の版権取得を支える個人マネーの新回路

ソニー銀行は7月13日、音楽カタログ資産への投資資金を調達する米ドル建てデジタル証券「米ドル建投資パートナーシップファイナンスデジタル証券(2026年第1号)」の募集を7月29日に開始すると発表した。募集総額は1,000万ドル、1口1,000ドルから、運用期間1年。GICと米ソニー・ミュージックグループ(SMG)が設立した音楽版権投資パートナーシップへの参画資金を、個人投資家から信託スキームで調達する構造だ。エンタメIPと個人マネーをデジタル証券でつなぐ、ソニーグループならではの試みである。

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スクエニ×エネチェンジ、脱炭素アプリにOasys採用——「ゲーミフィケーション×ブロックチェーン」で生活者の行動変容を狙う
エンタメ
トレーサビリティ
2026.06.29

スクエニ×エネチェンジ、脱炭素アプリにOasys採用——「ゲーミフィケーション×ブロックチェーン」で生活者の行動変容を狙う

スクウェア・エニックスとエネルギーテック企業ENECHANGEが、生活者の脱炭素アクションを後押しする新アプリを共同開発する。節電・省エネを「ミッション」化し、達成でポイントを付与するゲーム設計で、環境省「デコ活」推進事業にも採択された。データ管理には環境負荷の低いPoS型ブロックチェーン「Oasys」を採用し、記録の透明性・信頼性を確保する。投機ではなく“社会課題解決の裏方”としてブロックチェーンを使う実利用事例だ。

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ETHGas:イーサリアム・ブロックスペース予約市場が拓くリアルタイム経済圏 ― ガス代の予測可能性と日本の機関投資家コンプライアンス論点
グローバル
セキュリティ
2026.05.22

ETHGas:イーサリアム・ブロックスペース予約市場が拓くリアルタイム経済圏 ― ガス代の予測可能性と日本の機関投資家コンプライアンス論点

ETHGasは、イーサリアムのブロックスペースを「事前に予約・取引可能なコモディティ」として再定義する次世代インフラ・プロトコルである。Polychain Capital主導で12百万米ドル(約18億円)を調達し、バリデーターおよびビルダーから約8億米ドル(約1,200億円)のブロックスペース・コミットメントを獲得。ガス代のボラティリティと最大抽出可能価値(MEV)問題、さらにOFAC準拠ブロック比率に絡む検閲リスクという、機関投資家がオンチェーン取引に踏み込む際の三大障壁に同時に対処する枠組みとして注目を集めている。

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Ordinals/BRC-20が脱税ツールに──イタリア当局、Chainalysis Reactorで「インスクリプション収益化サイクル」を解明
セキュリティ
インシデント
2026.05.22

Ordinals/BRC-20が脱税ツールに──イタリア当局、Chainalysis Reactorで「インスクリプション収益化サイクル」を解明

ブロックチェーン分析大手Chainalysisが、イタリア財務警察によるBitcoin Ordinals/BRC-20を悪用した1億ユーロ規模ではなく100万ユーロ(約1.1億円相当・約110万ドル)超の脱税摘発事例を公表した。容疑者は数年にわたりインスクリプション(碑文)の発行・売却を循環させて未申告のキャピタルゲインを蓄積し、同時に公的補助金も不正受給していた。「技術的目新しさ=匿名性ではない」というChainalysisの結論は、CARF施行後の日本の事業者にも重要な示唆を与える。

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ロジザード、ブロックチェーン共通デジタル荷札「Bit Waybill」を2026年秋始動──物流2024年問題とフィジカルインターネット実装に向けた業界横断データ基盤
国内
プロジェクト動向
2026.05.20

ロジザード、ブロックチェーン共通デジタル荷札「Bit Waybill」を2026年秋始動──物流2024年問題とフィジカルインターネット実装に向けた業界横断データ基盤

東証グロース上場のクラウド型在庫管理システム大手ロジザードは5月20日、貨物ごとの共通IDをNFTとしてブロックチェーン上で管理する共通デジタル荷札「Bit Waybill(ビットウェイビル)」を2026年秋より提供開始すると発表した。ぷらっとホーム開発の非金融RWA技術「ThingsToken」を採用し、WMS・TMSとのAPI連携を前提に、参加企業共有型の物流データ基盤を目指す。深刻化するドライバー不足とフィジカルインターネット実現を背景とする戦略的取り組みである。

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CLARITY法案、上院銀行委員会を15対9で突破──米国デジタル資産市場の法的枠組みが現実味、トランプ大統領の独立記念日署名へ最終局面
グローバル
海外政府
2026.05.15

CLARITY法案、上院銀行委員会を15対9で突破──米国デジタル資産市場の法的枠組みが現実味、トランプ大統領の独立記念日署名へ最終局面

米国の暗号資産業界が最重要法案と位置付ける「Digital Asset Market CLARITY Act of 2025(デジタル資産市場CLARITY法案)」が、2026年5月14日、上院銀行委員会において15対9の超党派賛成で可決された。309ページに及ぶ本法案は、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄権を明確化し、デジタル資産を「証券」「デジタルコモディティ」「決済型ステーブルコイン」の3区分に整理する米国初の包括的市場構造法である。上院本会議および下院との一本化を経て、推進派は7月4日の独立記念日にトランプ大統領による署名を目標としている。

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Ethereumが「ブラインド署名」を終わらせる──Clear Signing標準化が示すWeb3セキュリティの新パラダイム
グローバル
インフラ
2026.05.12

Ethereumが「ブラインド署名」を終わらせる──Clear Signing標準化が示すWeb3セキュリティの新パラダイム

Ethereumが「ブラインド署名」を終わらせる──Clear Signing標準化が示すWeb3セキュリティの新パラダイム 【概要文】 Ethereum Foundationは5月12日、ウォレットの取引承認画面を人間が読める形式に変える新標準「Clear Signing(クリア署名)」を発表した。Ledger、Trezor、MetaMask、Fireblocks、WalletConnectらが参画し、ERC-7730とERC-8176の二本柱で構築。背景には2025年2月のBybit 14億ドル(約2240億円)ハックがあり、業界は「最後の防衛線」である署名画面そのものの構造改革に踏み出した。

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チェーン乱立時代の終焉と「動かない資産」のパラダイム ― トークン経済が招いたロックインを、デリバティブが解く
RWA
インフラ
2026.05.09

チェーン乱立時代の終焉と「動かない資産」のパラダイム ― トークン経済が招いたロックインを、デリバティブが解く

トークン発行を起点としたステークホルダー利害により、L1・L2・クロスチェーンプロトコルは数百規模で乱立し、開発者と流動性は分散したまま消耗戦に突入している。2025年だけでブリッジ起因の盗難は15億ドルを超え、「資産を動かす」前提そのものが業界最大のアタックサーフェスと化した。資産はチェーンに置いたまま、デリバティブで流動性を生み出す ― 2025年に7.9兆ドル規模へ膨張したオンチェーン無期限先物市場が指し示す次の構造を論じる。

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金融OSの世代交代――15年で築いた分散台帳の上に、経済そのものが乗る時。
グローバル
既存金融
2026.05.08

金融OSの世代交代――15年で築いた分散台帳の上に、経済そのものが乗る時。

ステーブルコイン総供給は2026年5月時点で3,200億ドルを突破し、トークン化された米国債は約150億ドル、RWA全体では約276億ドルに到達した。ブラックロックのラリー・フィンクCEOは2026年株主書簡で「トークン化は1996年のインターネットに相当する」と宣言し、同社は約1,500億ドルのデジタル資産関連AUMを保有する。障害耐性・改ざん耐性・確定的なトランザクション処理を備えたブロックチェーンは、いまや決済・安全資産・信用仲介を一気通貫で再実装する「金融OS」として機能し始めた。オンチェーン化とは新サービスの登場ではなく、既存経済活動が新しいOSへ移植されていく構造変化である。

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「トークン化国債(TJGB)×オンチェーン・レポ」始動 ― Progmat主導の42組織連合がT+0・24/365決済を狙う
既存金融
RWA
2026.05.07

「トークン化国債(TJGB)×オンチェーン・レポ」始動 ― Progmat主導の42組織連合がT+0・24/365決済を狙う

Progmatは2026年5月8日、デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)配下に「トークン化国債・オンチェーンレポWG」を設置。3メガバンク、東京海上HD、大和証券、SBI証券、ブラックロック・ジャパン、ステート・ストリート信託銀行など内外42組織以上で構成され、Canton Network、Avalanche、Secured Finance AGなどパブリックチェーン関連事業者も参画。世界16兆ドル(うち日本は約250兆円超)の国債レポ市場を念頭に、ステーブルコインを用いたT+0・24時間365日のオンチェーン・レポ商用化を、2026年10月の報告書公表を経て年内のTJGB組成PoC開始までスケジューリングする。

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BNY、アブダビで機関投資家向け暗号資産カストディを始動──TradFiとデジタル資産を結ぶ中東ハブ戦略
既存金融
グローバル
2026.05.07

BNY、アブダビで機関投資家向け暗号資産カストディを始動──TradFiとデジタル資産を結ぶ中東ハブ戦略

世界最大のカストディ銀行BNY(旧バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)が5月7日、アブダビの現地パートナーFinstreet LimitedおよびADI Foundationとの戦略的提携を発表した。ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)を拠点に、規制準拠型の機関投資家向け暗号資産カストディインフラを構築する。当初はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に注力し、その後ステーブルコインやトークン化された現実資産(RWA)へ段階的に対象を拡大する方針で、UAEの「トークン化金融グローバルハブ」構想を一段と加速させる動きとなる。

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SBI北尾氏「JPYCは潰れる」発言の真相──信託型「JPYSC」が突きつける円ステーブルコインの構造的競争
Fireside Crypto
既存金融
2026.05.02

SBI北尾氏「JPYCは潰れる」発言の真相──信託型「JPYSC」が突きつける円ステーブルコインの構造的競争

SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝代表取締役会長兼社長は2026年3月期決算説明会で、自社が共同開発する円建てステーブルコイン「JPYSC」を強くアピールする一方、先行するJPYCについて「流通量が小さくインパクトがない」と一蹴し、「うちが動き出したら相手は潰れてしまう」と発言した。背景には、信託型(3号電子決済手段)と資金移動型(1号電子決済手段)の制度的非対称性、そして1.2兆円の預かり資産を擁する自社経済圏への絶対的自信がある。両者は「対立」ではなく、用途とユーザー層を異にするレイヤー競争の構図にある。

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永久先物(パーペチュアル)完全理解 ― シラーの1993年論文からHyperliquid台頭まで、世界デリバティブ市場を呑み込んだ「期限なき契約」の全史
DeFi
グローバル
2026.04.29

永久先物(パーペチュアル)完全理解 ― シラーの1993年論文からHyperliquid台頭まで、世界デリバティブ市場を呑み込んだ「期限なき契約」の全史

1993年に経済学者ロバート・シラーが理論化し、2016年にBitMEXが暗号資産市場で実装した永久先物(パーペチュアル・スワップ)は、わずか10年で暗号資産デリバティブの主役となり、伝統金融にも波及した。2025年には分散型取引所(DEX)における永久先物の年間取引高が約7.9兆ドル(約1,200兆円規模)に到達し、Hyperliquidが新たな覇者として台頭。本稿は、永久先物の理論的起源・ファンディングレートという核心的発明・主要事業者の興亡・直近の競争構造までを総覧する完全理解版である。

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ブロックチェーン・プライバシーの大潮流──「透明性の罠」を越え、機関投資家のSSLモーメントへ
プライバシー
インフラ
2026.04.28

ブロックチェーン・プライバシーの大潮流──「透明性の罠」を越え、機関投資家のSSLモーメントへ

ブロックチェーンの「全てが見える」設計は当初は強みとされてきたが、給与・財務・取引情報まで競合や悪意ある第三者に丸見えになることが、企業活動の自由を損ねる構造的リスクとして顕在化している。2025年は機関投資家が「透明性の罠」に明確にNOを突きつけた転換点となり、Boundless・Midnight・Aztec・Aleo・Canton等のプライバシー・ソリューションが本番稼働を迎えた。1990年代にSSLが金融機関のオンライン化を可能にしたように、プライバシー層はマス・アダプションの前提条件となりつつある。

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「ファンが共同制作者になる」── MODHAUS/Cosmoが示す、エンタメ×ブロックチェーンの数少ない成功モデル
エンタメ
NFT
2026.04.27

「ファンが共同制作者になる」── MODHAUS/Cosmoが示す、エンタメ×ブロックチェーンの数少ない成功モデル

韓国MODHAUSが運営するK-POPファン参加型プラットフォーム「Cosmo」は、累計35万ユーザー・MAU15万・1,000万枚のNFTフォトカード(Objekt)発行・月間150万トランザクションを記録し、2025年8月にIMM Investmentら主要VCから210億ウォン(約15.8百万米ドル)のシリーズBを調達した。同時期にHYBE傘下Binary Koreaが2024年売上約350米ドル・純損失42億ウォン(約3.2百万米ドル)で事実上撤退するなど、エンタメ系Web3が壊滅する中、Cosmoは2025年7月にAbstractチェーンへの基盤移行を発表し、グローバル展開を加速している。本稿ではDuneや一次取材を含む複数ソースから、なぜCosmoだけが「事業として」成立しているのかを多角的に検証する。

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「熱量の可視化」という幻想 — ファンが本当に望んでいたもの、ブロックチェーンが提供すべきだったもの
エンタメ
NFT
2026.04.26

「熱量の可視化」という幻想 — ファンが本当に望んでいたもの、ブロックチェーンが提供すべきだったもの

過去10年間、ブロックチェーン業界は「アーティストの熱量を可視化し、それに報酬を与える」という命題のもとに数多くのプロジェクトを送り出してきた。しかし市場の答えは残酷で、Music NFTの取引高は2021年のピークから95%減少し、Chiliz/Socios等のFan Tokenの時価総額は合計わずか2.4億ドルにとどまる。一方、同期間にPatreon・OnlyFans・Twitch・Weverseといった非ブロックチェーン型プラットフォームは数十億ドル規模の市場を切り開いた。本レポートは、需要と供給のすれ違いを「顧客が本当に望んでいたもの」の古典的逸話に重ね、ブロックチェーンが本来果たすべき役割を再考する。

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ファットプロトコル理論の終焉?──断片化・アプリチェーン化・ブリッジ脆弱性が問う「Web3の理想形」
DeFi
セキュリティ
2026.04.26

ファットプロトコル理論の終焉?──断片化・アプリチェーン化・ブリッジ脆弱性が問う「Web3の理想形」

2016年にJoel Monegroが提唱した「ファットプロトコル理論」は、Web3における価値はプロトコル層に集積するというドグマを業界に植え付けた。しかし2025年現在、現実は逆方向に進行している。L1・L2は1,000を超える数に乱立し、収益力のあるアプリケーションは独自チェーンへ離脱し、両者を繋ぐブリッジは累計28億ドル超の被害を生む単一障害点となっている。本レポートは、Linux型の「非競争協調モデル」への回帰が、現状打破の有力な選択肢ではないかを検討する。

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Web3が「クラウドの調達カート」に入った日 ── AWS×Chainlink連携が決定づけるブロックチェーン・マスアダプションの転換点
2026.04.24

Web3が「クラウドの調達カート」に入った日 ── AWS×Chainlink連携が決定づけるブロックチェーン・マスアダプションの転換点

2026年4月24日、Amazon Web Services(AWS)はChainlinkのデータ標準(Data Feeds、Data Streams、Proof of Reserve)をAWS Marketplaceに正式リスティングした。世界クラウド市場の約30%を占めるAWSの調達基盤に、累計29兆ドル(約4,500兆円)のオンチェーン取引価値を護る業界標準オラクルが「通常のSaaS製品と同じ手続き」で導入可能となったことで、ブロックチェーンは初めて伝統的IT調達プロセスの内側に組み込まれた。本レポートでは、本件をWeb3マスアダプションの構造的転換点として位置付け、その含意を分析する。

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 「本物を数学で証明する」──Succinct、iPhone向け真正性カメラ「ZCAM」公開。年6兆円超のAI詐欺時代に挑む暗号プリミティブの応用戦略
ブロックチェーン証明
プロジェクト動向
2026.04.24

「本物を数学で証明する」──Succinct、iPhone向け真正性カメラ「ZCAM」公開。年6兆円超のAI詐欺時代に挑む暗号プリミティブの応用戦略

Paradigm主導で5,500万ドル(約85億円)を調達した暗号技術企業Succinctが、撮影時点で暗号署名を付与するiPhoneカメラアプリ「ZCAM」をリリースした。AI生成コンテンツによる詐欺被害が2026年に400億ドル(約6.2兆円、1ドル155円換算)に達するとの予測の中、「AI検出」ではなく「真正性証明」へと発想を転換した取り組みであり、ブロックチェーン文脈で培った暗号技術が消費者領域へ本格的に越境する象徴的な事例となる。

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国家規模の攻撃が露呈させたDeFiの「設計思想バグ」── Kelp DAO 4.5億ドル流出、北朝鮮ラザルス関与で2兆円TVLが2日で蒸発
インシデント
DeFi
2026.04.24

国家規模の攻撃が露呈させたDeFiの「設計思想バグ」── Kelp DAO 4.5億ドル流出、北朝鮮ラザルス関与で2兆円TVLが2日で蒸発

リキッド・リステーキング大手Kelp DAOのLayerZero製クロスチェーンブリッジが、2026年4月18日に約2.92億ドル(約450億円)相当のrsETH 11万6,500枚を流出させた。北朝鮮ラザルスグループ(TraderTraitor)の関与が指摘される本攻撃は、過去18日間でドリフトと合わせて5.75億ドル(約890億円)超を奪った国家アクター主導の連続攻撃の一翼であり、DeFi全体のTVLは48時間で約130億ドル(約2兆円)流出。設計の根幹である「単一障害点(1/1 DVN)」の責任所在を巡り、LayerZeroとKelp DAOが互いを名指しで非難する泥沼に発展している。

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ヘアドライヤーで34,000ドル ── シャルル・ド・ゴール空港の温度計操作事件が露呈した予測市場の「物理オラクル問題」
インシデント
インフラ
2026.04.23

ヘアドライヤーで34,000ドル ── シャルル・ド・ゴール空港の温度計操作事件が露呈した予測市場の「物理オラクル問題」

2026年4月、シャルル・ド・ゴール空港のMétéo-France温度センサー(観測所LFPG)が、Polymarketの「パリの最高気温」契約決済直前に2回(4月6日・4月15日)、4〜5℃の人為的スパイクを記録した。仏天気予報庁は4月21日、ロワシー航空輸送憲兵隊に「自動データ処理システムの不正改変」容疑で刑事告訴。攻撃者は数十ドル規模の元手から合計約34,000ドル(約530万円、1ドル155円換算)を獲得し、関連2市場の合計取引高は約140万ドルに達した。本件は「ヘアドライヤーで使われたとみられる物理的攻撃」という前代未聞の手口で、ブロックチェーンの宿痾「オラクル問題」を世界に示した事案である。本レポートでは、事実関係の精査、過去のUMAオラクル操作事件との比較、予測市場の構造的不完全さと改善方向を論じる。

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 月800万円赤字からの大逆転──Web3ゲーム「元素騎士」、プレイヤー自ら設立の新会社へ運営移管。コミュニティが「運営権」を引き継ぐ国内初の事例
エンタメ
プロジェクト動向
2026.04.23

月800万円赤字からの大逆転──Web3ゲーム「元素騎士」、プレイヤー自ら設立の新会社へ運営移管。コミュニティが「運営権」を引き継ぐ国内初の事例

2026年4月30日のサービス終了が決定していたブロックチェーンゲーム「元素騎士オンライン」が、運営会社Metapとゲーム内ギルド「花火亭」所属プレイヤー2名が設立中の株式会社花火亭との間で基本合意(MOU)を締結し、2026年8〜9月の再始動を目指すこととなった。月額約1,000万円の固定費に対し収益は約200万円にとどまり月800万円の赤字だった同作が、プレイヤー自らの手で再建される、Web3ゲーム領域で世界的にも稀有な事例となる。

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「独立王国」から「主権都市」へ ── Ronin帰還が示す2026年ブロックチェーンインフラ戦略の総転換
ブロックチェーン
プロジェクト動向
2026.04.22

「独立王国」から「主権都市」へ ── Ronin帰還が示す2026年ブロックチェーンインフラ戦略の総転換

Axie Infinityを生んだゲーム特化チェーンRoninが、4年間運用してきたEthereumサイドチェーン体制を放棄し、2026年5月12日にOP StackベースのEthereum Layer 2へ移行する。RONトークンのインフレ率は20%超から1%未満へと急減速し、Optimism Superchainへの統合により500〜700万ドルのマイルストーン助成金とエコシステム連携を獲得する。本件は、Polygon・Avalanche独立サブネット・各種専用チェーンが直面する「独立コスト vs Ethereumエコシステム回帰」という選択を象徴する転換点であり、本レポートではブロックチェーンインフラ戦略の2026年トレンドと今後の方向性を分析する。

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SCSK、首里城に「個人情報レス」NFT観光DXを実装──オーバーツーリズム対策と周遊促進を両立、住友商事系SIerが仕掛ける次世代マーケティング基盤
地方創生
NFT
2026.04.22

SCSK、首里城に「個人情報レス」NFT観光DXを実装──オーバーツーリズム対策と周遊促進を両立、住友商事系SIerが仕掛ける次世代マーケティング基盤

住友商事グループの総合ITサービス企業SCSKが、NFTを活用した観光DXクラウドサービス「Connexia(コネクシア)」を開発し、第一弾として2026年4月20日より一般財団法人沖縄美ら島財団が管理する首里城公園で「首里城アプリ」として提供を開始した。2026年秋の正殿完成を前にオーバーツーリズムが懸念される中、氏名・連絡先を一切取得せずにNFT保有履歴だけでOne to Oneマーケティングを実現する新方式を採用。日本の大手SIerによるNFT観光DX本格実装として、国内の新たなベンチマークとなる事例である。

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情報市場の覇者が金融市場を呑み込む日 ── Polymarket永久先物進出の戦略論:「価格設定」から「レバレッジ提供」へ
DeFi
プロジェクト動向
2026.04.22

情報市場の覇者が金融市場を呑み込む日 ── Polymarket永久先物進出の戦略論:「価格設定」から「レバレッジ提供」へ

2026年4月21日、世界最大の予測市場プラットフォームPolymarket(評価額150億ドル)が、競合Kalshi(評価額110億ドル)と同日に暗号資産・株式・コモディティ向け永久先物の提供を発表した。最大10倍のレバレッジ、24/7取引、BTC・NVDA・GOLDなど多様な銘柄を扱うこの拡張は、両社の出自である「事象決済型バイナリ契約」から「継続的レバレッジ取引」への構造転換を意味する。背景には年間80兆ドル規模のオフショア永久先物市場、Hyperliquidの台頭、CFTCによる国内パープス解禁の方針、そして「予測市場の担保が遊休化する構造問題」がある。本レポートでは、なぜ予測市場がパープスを必要とするのか、その戦略を多角的に考察する。

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自民党「次世代AI・オンチェーン金融構想」を了承──3メガバンク共同ステーブルコインは2027年3月実運用へ、エージェンティック・コマース時代の金融基盤構築が国家戦略に
国内政府
国内
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自民党「次世代AI・オンチェーン金融構想」を了承──3メガバンク共同ステーブルコインは2027年3月実運用へ、エージェンティック・コマース時代の金融基盤構築が国家戦略に

自由民主党デジタル社会推進本部の「次世代AI・オンチェーン金融構想プロジェクトチーム(PT)」がまとめた提言が5月19日に党政調審議会で了承された。AIエージェントによる24時間365日の自律的経済活動を支える金融基盤として、トークン化預金、円建てステーブルコイン、RWAのオンチェーン化を重点領域に位置付ける。3メガバンク共同ステーブルコインは2027年3月までの実運用開始が目標とされ、金融庁には5年間のロードマップ策定が求められた。

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