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2026年05月22日

ポリマーケット、2030年の日本参入目指しロビー活動準備──予測市場の規制突破がアジア戦略の核心に

ポリマーケット、2030年の日本参入目指しロビー活動準備──予測市場の規制突破がアジア戦略の核心に

報道の概要と日本担当者の任命

ブルームバーグは2026年5月22日、複数の関係者の話として、ポリマーケットが日本での予測市場提供に向けて政府認可を求めるロビー活動の準備に入ったと報じた。承認取得の目標時期は2030年。日本での取り組みは、ソラナ(Solana)エコシステム上の暗号資産プロジェクト「ジュピター(Jupiter)」の日本責任者を務めるマイク・エイドリン(Mike Eidlin)氏が主導する。なおジュピターが提供する予測市場向けAPIは、ポリマーケットやカルシ(Kalshi)の流動性を集約し、ソラナ上のアプリに予測市場取引機能を組み込める仕組みとなっている。先行して2026年4月29日には、約5.3万人のフォロワーを持つ暗号資産系インフルエンサー「Zen | 全力さん」が「Polymarket Japan」公式アカウントの運用を開始しており、日本市場での認知形成は既に走り出している。

プラットフォームの規模と日本市場の制約

ポリマーケットは、選挙、スポーツ、経済指標、暗号資産、企業関連イベントなど将来の出来事の結果を対象に、ユーザーがステーブルコインを中心とした暗号資産でポジション取引を行える予測市場プラットフォームである。2026年3月には月間取引高100億ドル(約1.5兆円)を初突破し、4月も約103億ドル規模の取引高を記録した。一方、日本は同プラットフォームの地理的制限リストで「フロントエンドUI制限」の対象に含まれており、現時点で正式展開はされていない。米国では2025年に買収したデリバティブ取引所QCXおよび清算機関QCクリアリングを通じ、CFTC(米商品先物取引委員会)登録の指定契約市場として「Polymarket US」を運営する一方、国際版はCFTC規制対象外の別プラットフォームとして運営される二層構造である。

規制論点と地政学的タイミング

日本参入の最大の論点は、予測市場が刑法上の賭博に該当するかである。ポリマーケット陣営は、金融庁(FSA)に対して予測市場を「規制対象のデリバティブ」として新たな商品カテゴリーに位置づけるよう働きかけると見られる。4年という長期タイムラインは、日本の規制プロセスの慎重さを踏まえた現実的設定である。また背景には、ポリマーケットが30カ国以上で制限・遮断対象となっている事情があり、2026年3月にはアルゼンチンが全国規模で同プラットフォームを遮断した。米国の規制環境が硬化する中、戦略的代替市場としての日本の重要性は高まっている。2025年にはニューヨーク証券取引所(NYSE)親会社のインターコンチネンタル取引所(ICE)から最大20億ドル(約3,180億円)の戦略投資契約が発表されており、機関投資家向けデータ配信も視野に入っている。

【事業開発に関するインサイト】

  1. 「賭博」か「デリバティブ」かの分類が、予測市場ビジネスの命運を決める:ポリマーケットの日本参入成否は、予測市場契約を金融商品取引法上のデリバティブとして整理できるかにかかっている。これは予測市場単独の論点ではなく、暗号資産連動型デリバティブ全般のレギュレーション設計に直結する。日本のWeb3関連事業者・法律事務所・規制対応コンサルにとって、ポリマーケットの動きは規制ロビイングのケーススタディとなる。
  2. 長期ロビイング戦略を採用するグローバルWeb3企業の本格参入フェーズ:5年弱の認可取得目標、現地責任者の任命、インフルエンサーを巻き込んだ事前認知形成という三層アプローチは、過去の暗号資産取引所の日本参入とは質的に異なる長期戦略である。今後、他のグローバルWeb3企業も同様のアプローチで日本市場に参入する可能性が高く、現地パートナー紹介、政策対話支援、規制テクノロジーの提供を行う事業者には機会拡大が見込まれる。
  3. 「予測市場データ」が機関投資家向け新興データ商材として浮上:ICEがポリマーケットのイベント確率データを機関投資家向けに配信する方針を示している点は重要である。予測市場は単なるBtoCサービスではなく、選挙・経済・企業イベントの確率情報を生成するインフラとして位置づけられつつある。金融データ業界・調査会社・メディアにとって、予測市場データを活用した新サービス開発の余地が広がっている。

【引用:出典】

監修

石田陽之(いしだあきひさ)

Cabinet株式会社 代表取締役

2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。

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