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2026年05月22日

LINEの「Unifi」がJPYC正式対応──1億人超ユーザー基盤上で日本円ステーブルコインの日常決済が始動

LINEの「Unifi」がJPYC正式対応──1億人超ユーザー基盤上で日本円ステーブルコインの日常決済が始動

Unifi×JPYC連携の概要

JPYC社は2026年5月22日、LINE NEXTが提供するノンカストディアル型Web3ウォレット「Unifi」において日本円ステーブルコイン「JPYC」が正式に利用可能になったと発表した。両社は2026年1月にMOU(協業検討覚書)を締結、2月27日にUnifiでのJPYC採用を正式決定しており、約3ヶ月での実装スピードでの稼働開始となる。Unifiは2026年5月9日にUSDT対応で正式ローンチされており、今回のJPYC対応はその拡張となる。預け入れには基本年率4〜5%の利息が提供されるほか、ローンチ記念として総額8万JPYCのアーリーバードキャンペーンも展開された。

Kaiaチェーンを軸とした技術基盤

今回Unifiで対応するJPYCは、レイヤー1ブロックチェーン「Kaia(カイア)」上で発行される。Kaiaは2024年8月、LINE社が独自開発したプライベートチェーン「LINE Blockchain」をリブランディングしたFinschia(フィンシア)と、韓国Kakao(カカオ)の子会社グランドXが開発したKlaytn(クレイトン)が統合して誕生したパブリックブロックチェーンで、毎秒最大4,000件のトランザクション処理能力を持つ。JPYC社は2026年5月15日にJPYC EXのKaiaチェーン対応を開始しており、JPYCはEthereum、Avalanche、Polygonに次ぐ4チェーン目の発行ネットワークとしてKaiaを位置付けている。なおJPYCは日本国内で「電子決済手段」として法的に位置付けられ、日本円の預貯金および国債を裏付け資産として発行残高の100%以上を保全する設計である。

1億人超ユーザー基盤への接続が持つ意味

今回の連携の核心は、国内1億人超のLINEユーザー基盤上で、新規アプリのインストールなしにステーブルコイン経済圏が立ち上がる点にある。ユーザーはLINEミニアプリとしてUnifiにアクセスし、保管・送金・決済・リワード受け取りまでをLINE内で完結できる。JPYC社のシリーズB資金調達は累計約50億円規模に達しており、リテール領域でのJPYC普及はHashPort運営の「HashPort Wallet」が先行していたが、LINEとの接続によって普及曲線は質的に変わる可能性が高い。Kaia自体もアジア最大級のWeb3エコシステムを志向しており、韓国地方銀行iMバンクによるKaia上のウォン建てステーブルコインPoC完了(5月20日発表)など、日韓を横断するデジタル通貨経済圏の構築が並行して進んでいる。

【事業開発に関するインサイト】

  1. 「アプリ不要のステーブルコイン体験」がリテール普及の本命となる:これまでステーブルコイン利用には専用ウォレットアプリのダウンロード・秘密鍵管理・ガス代の理解という参入障壁が存在した。LINEアプリ完結型のUnifi×JPYCは、これらを実質的に不可視化することで「暗号資産を意識せずに使える」UXを実現する。今後は加盟店決済、給与支払い、送金など、日常金融サービスへの組み込みが本格化する見通しだ。
  2. 「年率4〜5%の利回り」がメガバンク預金との競合構造を生む:Unifiが提示する基本年率4〜5%の利息は、日本のメガバンク普通預金金利を大幅に上回る水準である。日本円ステーブルコインに利息が付くサービスがLINEのインターフェース上で展開されることは、若年層・テック親和層を中心に銀行預金からの資金シフトを誘発する潜在力を持つ。金融機関のリテール戦略再考が迫られる局面である。
  3. 日韓統合ブロックチェーンKaiaが「アジア決済インフラ」の覇権候補に:LINEとKakaoという日韓最大級のメッセンジャー基盤に支えられたKaiaは、JPYC(円)、iMバンクのウォン建てステーブルコインなど、複数法定通貨建てステーブルコインの発行プラットフォームとして急速に存在感を高めている。日本企業にとっては、自社サービスのアジア展開時にKaiaを決済レイヤーとして組み込む戦略的選択肢が現実味を増しており、提携・統合機会の発掘が急務となる。

【引用:出典】

監修

石田陽之(いしだあきひさ)

Cabinet株式会社 代表取締役

2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。

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