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2026年10月20日

NFTの老舗OpenSeaが「何でも取引できるアプリ」に NFTは単独の市場から「ポートフォリオの一資産」へ

NFTの老舗OpenSeaが「何でも取引できるアプリ」に NFTは単独の市場から「ポートフォリオの一資産」へ

アプリでできること

OpenSea Mobileは、メールアドレスだけでアカウントを作れます。シードフレーズ(秘密鍵の復元用の単語)やブラウザ拡張機能、既存のウォレットは不要です。ウォレットは利用者自身が資産を管理する非カストディアル型で、Apple PayやGoogle Payで入金できます。既存のウォレットをQRコードや秘密鍵で取り込むこともできます。ポートフォリオ画面では、すべてのチェーンのトークンとNFTを一覧できます。ブリッジ(チェーン間の資産移動)を自分で操作しなくても、チェーンをまたいだ取引が可能です。

ソーシャル取引という新機能

今回の目玉はソーシャル機能です。フォローしたトレーダーの売買がリアルタイムでフィードに流れ、その中には他の暗号資産アプリ(FOMO、Pump、Farcasterなど)で行われた取引も含まれます。「Signals」機能では、購入時に「なぜ買ったか」という短いメモを添えて公開できます。手数料はトークン取引が0.5%、NFTなどコレクティブル購入が1%で、紹介経由のユーザーは10%の割引を受け、紹介者はそのユーザーの手数料の25%を受け取ります。

背景にあるNFT市場の縮小

この変化は、NFT市場の縮小と切り離せません。2026年にはNifty Gateway(2月)やFoundation(4月)が閉鎖し、かつてOpenSeaを上回る取引高を誇ったBlurも、取引サイトを11月12日に閉じると10月13日に発表しました。Blurの創設者が立ち上げたイーサリアムのレイヤー2「Blast」も10月26日に停止します。OpenSea自身も、2025年10月時点で取引高の9割超をNFT以外の暗号資産取引が占めていたと報じられており、NFT専業から複数チェーンにまたがる取引の総合アプリへの転換を進めてきました。一方、独自トークン「SEA」の発行は2026年3月に延期され、新しい日程は示されていません。

競争の構図

同じ時期、ミームコインの発行・取引で知られるPump.funが、トレーディングカードのパック販売を自社アプリに加えています。NFTから出発した企業とミームコインから出発した企業が、同じ「何でも取引できるアプリ」の地位を争う構図です。NFTは、利用者のポートフォリオに並ぶ資産の一つとして扱われるようになっています。

公開日の表記について

OpenSeaの公式ブログは10月20日付で公開を伝え、多くの海外メディアも20日としています。一方、10月21日に一般公開を報じた媒体もあり、時差と報道のタイミングの違いによるものとみられます。

【事業開発に関するインサイト】

  1. NFTは「専用の市場で売る商品」から「総合アプリのポートフォリオに並ぶ一資産」に変わりつつあります。NFTを発行する企業は、自前の販売サイトを作り込むよりも、どの総合アプリや取引網に載せるか、その上でも保有者に価値(特典や引換)を届けられる設計にするかを優先すべきです。
  2. メールで登録でき、非カストディアルで、決済アプリで入金できるという体験が、消費者向けWeb3の標準になりました。日本でNFTやポイント、ステーブルコインのサービスを展開する事業者は、このUXを前提に比べられるため、ウォレット基盤の選び方が利用者獲得を大きく左右します。
  3. 他人の売買を見て追随できるソーシャル取引は、日本では金融商品取引法上の投資助言や勧誘との境界が論点になりえます。海外で一般化した機能をそのまま国内に持ち込めない点は、規制に対応した形で取引体験を組み立てられる国内事業者にとって、差別化の余地にもなります。

【引用:出典】

OpenSea公式ブログ「OpenSea Mobile Is Here」 https://opensea.io/blog/articles/opensea-mobile-is-here-everything-you-own-everywhere-you-go OpenSea Learn「How to Get Started With OpenSea Mobile」(2026年10月20日) https://opensea.io/learn/web3/how-to-get-started-with-opensea-mobile Bankless「OpenSea Mobile Drops Its Waitlist」(2026年10月21日) https://www.bankless.com/read/news/opensea-mobile-drops-its-waitlist TokenPost「OpenSea Makes Cross-Chain Mobile Trading App Available to All Users」 https://www.tokenpost.com/news/business/36575 eGamers「OpenSea Mobile leaves beta with a social feed」 https://egamers.io/opensea-mobile-leaves-beta-with-a-social-feed-that-tracks-traders-across-fomo-pump-and-farcaster/ cryptonews.net「OpenSea Review」 https://cryptonews.net/news/nft/33627640/ NADA NEWS(Yahoo!ニュース)「NFT取引所Blur、事実上のサービス終了へ」 https://news.yahoo.co.jp/articles/d4b09a7611df7c9b7f115a0bdd3c345c8f0ed52f Bitcoin.com News「イーサリアムNFTマーケットプレイス『Blur』、取引高激減で閉鎖へ」 https://news.bitcoin.com/ja/crypto-news/isariamu-nft-maketopureisu-blur-torihikidaka-geki-gen-de-heisa-e/ あたらしい経済「ニフティゲートウェイがサービス終了へ」 https://www.neweconomy.jp/posts/541528

監修

石田陽之(いしだあきひさ)

Cabinet株式会社 代表取締役

2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。

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