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2026年04月13日
非金融領域で進むオンチェーン活用の実例がN.Avenue club Summitで発表。大手企業中心に取り組みを紹介

NADA NEWSを運営するN.Avenueは、2026年3月19日に国内最大の法人会員制Web3ビジネスコミュニティ「N.Avenue club」の年次総会「N.Avenue club Summit」を開催。全11の企業・団体がプレゼンを行ったうち、Part2として、エンターテインメント領域の企業や大使館を含む5団体の発表 nadanewsがレポートされた。
⑤東急不動産HD:CX・イノベーション推進部の岸野麻衣子氏が登壇。2022年から「Niseko Powder TOKEN」NFTを販売した実績を踏まえ、ホテル業界のキャッシュタイムラグと高いキャンセル率という構造課題を解決するため、「東急ステイ公式宿泊権リセールサービス」を2026年1月にリリース。日付確定型宿泊券をNFT化し、ワンクリックで二次流通可能な仕組み nadanewsを構築した。2026年1月30日に東急ステイ6施設からスタートし、3月末までに30施設に拡大 Business Insider Japan。約30万人のSMART CLUB会員に対し、システム登録時に裏側で自動的にウォレットを付帯させる仕組み Yahoo!ニュースで、ユーザーにはWeb3を意識させない設計が特徴。今後はゴルフ場・スキー場の会員権等への横展開を視野に入れる。
⑥スカパーJSAT:佐藤一軌氏は2023年12月開始の「スカパー!投票」を軸に、アイドル・WHITE SCORPION、ローソンチケットNFT活用のキャラクター・教育番組イベントを紹介。チケット購入者の7〜8割がNFTを"ついで購入"するなど、リアルイベントとWeb3の掛け合わせによるマネタイズ nadanews実例を提示。
⑦BIPROGY:牧野友紀氏は「金融ではなく、オンチェーン上で商流を作ることに愚直に取り組む」と表明。フェンシング協会、そごう・西武、JR関連会社のスタンプラリーなどでWeb3ウォレットを通じた顧客像の可視化を実証。
⑧CAC:高橋祐貴氏は創業60周年のSIerとして、アバランチ・ソラナに加え、AIエージェント領域でのトランザクション急増を理由に「Base」を第3の主軸チェーンとして追加したと発表。
⑨スイス大使館投資局:松田俊宏氏は、ツーク州(クリプトバレー)では、国税の8%に州税を3〜4%乗せるのみで、実効税率を12%以下に抑える強力なクリプト企業誘致体制 nadanewsを紹介。イーサリアム財団・ソラナ財団・カルダノ財団が拠点を置く事例を踏まえ、6月23-25日の「Point Zero Forum」への参加を呼びかけた。
アドバイザリーボード(増田雅史、中村奎太、斎藤創、成本治男)は、マスアダプションに向けた顧客接点設計、強力IPの取り込み、日本独自アセットの活用、海外スケール設計などの論点で助言を行った。
## 事業開発インサイト
## ① 「Web3を意識させないUX」が社会実装の正解 ── 東急ステイモデルが示す日本型マスアダプション設計
東急ステイ宿泊権リセールは、日本企業のWeb3実装における一つの完成形を示した事例として極めて示唆的だ。ポイントは3つ:①既存の会員基盤30万人に裏側で自動ウォレット付帯、②予約画面から「NFT」「Web3」という専門用語を完全排除、③PMS(宿泊管理システム)との双方向連携でオペレーション負荷ゼロ。白倉氏の「2022年のニセコNFTでWeb3を意識させると利用率が圧倒的に落ちる」という実感が、現在のUI設計の背景にある。Japan Tourism NFT Awards 2025グランプリ受賞も業界評価の証左。
事業開発への示唆:
- 既存会員基盤を持つ業態すべてが候補:航空会社マイレージ、JR系・私鉄系ポイントプログラム、クレジットカード、百貨店外商、ゴルフ場/スキー場会員権、演劇/音楽コンサート年会員、プロスポーツチームサポーター等。数百万〜数千万規模の既存会員基盤をウォレット化する市場機会が残存
- "ゼロ知識Web3"のインフラ提供事業:Kaizen Platform、POCKET RDのように、既存Web2 UIを維持したままバックエンドでNFT/ブロックチェーンを動かすBaaS型サービスは、SIer・広告代理店・UXコンサル各社が事業化可能な領域
- 二次流通市場を軸にした新ビジネスモデル:キャンセル料という"死に金"を、二次流通による収益機会に転換する発想は、航空券・コンサートチケット・レストラン予約・観光施設入場券などリセール可能なあらゆるサービスに応用可能
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## ② "Base × AIエージェント"の主戦場シフトは、国内事業者のチェーン戦略を根本から変える
CACがBaseを第3の主軸チェーンに加えた理由 ── AIエージェントの領域において、Base上のトランザクションボリュームが圧倒的に伸びており、もはや無視できない規模 nadanews ── は重要なシグナルだ。Base(Coinbase運営のEthereum L2)は、2025〜2026年にかけてAIエージェント決済・自律型商取引のデファクトチェーンとなりつつある。これは、先行する2026年4月18日のイーサリアムQ1過去最高2億件トランザクションの背景にもつながる。
事業開発への示唆:
- "AIエージェント決済"という新ユースケース:マスターカード×Lobster.cash、PayPal×USD.AI、Stripe×Tempoなど、大手決済プレイヤーが相次ぎ参入。国内事業者(メルペイ、LINE Pay、PayPay、楽天ペイ等)も、AIエージェント向け決済APIの企画を前倒しで進める必要性が高まる
- 多主要チェーン対応の標準化:国内SIerにとって、「イーサリアム/Polygon一辺倒」から「Avalanche + Solana + Base」の3軸体制が新標準に。Polygon単独の提案は既に時代遅れになりつつある
- JPYCアイデアソン、ソラナブートキャンプ、アバランチ共同勉強会といったコミュニティ密着型の開発者ネットワーク構築が、SIer・コンサルの競合優位の源泉となる。CACの「財団所属」「コミュニティに深く入り込む」は差別化戦略の好例
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## ③ "非金融Web3のスケール問題"を解く2つの方向性 ── 日本独自アセットの活用 × グローバル逆展開
アドバイザリーボードのフィードバックから抽出される最大の示唆は、「非金融Web3がスケールしない」という構造課題と、それを突破する方向性だ。中村奎太氏(メルコイン)の「トークン化してコンテンツを作るにはコストがかかる、サステナブルに続けるのは大変」という指摘は、NFT事業者・コンテンツ事業者の多くが突き当たる壁。斎藤創氏の「強力なIPホルダーがWeb3に出したがらない」という現実的課題は、日本のIPビジネス特有の構造。
事業開発への示唆:
- スキップ戦略による海外展開:増田雅史氏の指摘通り、米国の厳しい規制を回避する形でグローバル向けに発展している金融インフラ(ステーブルコイン決済、オフショアDeFi、ドバイ/シンガポール拠点のプラットフォーム)と親和性の高いデジタルコンテンツ(アニメ、マンガ、VTuber、J-POP)をバンドルしてグローバル展開する機会。日本の国内規制をある種"スキップ"できる設計の商機
- "推し活 × 金融商品"という日本独自のハイブリッド:成本治男氏が指摘した「宿泊権がついてくるような推し活要素を含んだ金融商品」は、日本のファンダム経済圏(年間数千億円規模)とRWA/STを融合する日本独自のプロダクトカテゴリーになり得る。例:推しアーティストのコンサート先行権+セキュリティトークン、プロスポーツクラブ応援権付きファンドなど
- スイス×日本の双方向クロスボーダー:ツーク州(実効税率12%以下)でグローバル法人を設立し、日本法人との連携で"規制整合+グローバル展開+日本IPの海外拡張"を実現するスキームの検討。野村Laser DigitalがUBS買収経験のある金融人材とスイスを組み合わせたモデルの応用可能性
- "プラットフォーム×顧客基盤×販売チャネル"を持つ事業者の戦略的優位性:成本氏の「顧客基盤と販売チャネルを持っているところは重要なアセット」という指摘は、既存大手(三井物産、三菱商事、SBI、野村、メルカリ、楽天等)にとってのWeb3参入タイミング論を強く後押しする
監修
石田陽之(いしだあきひさ)
Cabinet株式会社 代表取締役
2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。
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