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Fireside Crypto
2026年04月23日

月800万円赤字からの大逆転──Web3ゲーム「元素騎士」、プレイヤー自ら設立の新会社へ運営移管。コミュニティが「運営権」を引き継ぐ国内初の事例

 月800万円赤字からの大逆転──Web3ゲーム「元素騎士」、プレイヤー自ら設立の新会社へ運営移管。コミュニティが「運営権」を引き継ぐ国内初の事例
#### 事案の核心 ― 「終了」から「コミュニティ救済」への急転回 元素騎士オンラインは2022年11月にリリースされたMMORPGで、MV・RONDのデュアルトークン構造を採用する国産Web3ゲームの代表格である。運営元Metapは2026年2月26日、月間固定費約1,000万円(約6.5万ドル)に対し月間収益が約200万円(約1.3万ドル)に留まり、毎月約800万円の赤字が継続しているとしてキャッシュフロー上の限界を認め、4月30日でのサービス終了を発表していた。しかし4月21日、ゲーム内トッププレイヤーのくろかげ氏とAlamode氏が登記中の「株式会社花火亭」への運営権移管について基本合意(MOU)が締結された。株式会社花火亭は元素騎士内の有力ギルド「花火亭」メンバーが設立する法人で、サービス終了目前にプレイヤーコミュニティ自身がタイトルを救済する、国内初かつ世界的にも極めて稀なケースとなった。 #### リブート計画のタイムライン 移管スケジュールは、2026年4月末〜ゴールデンウィーク明けに正式契約締結、5月中旬にリブート開発開始、そして2026年8〜9月の新サービスローンチを予定する。既存のゲームデータは新サービスへ引き継ぐ方向で調整中だが、シンガポールリージョンは4月30日に閉鎖され、同リージョンのNFT資産は期日までに外部ウォレットへエクスポートしなければ消失する。移管の核心課題は、「暗号通貨などの外部環境に影響を受けにくい体制への見直し、インフラランニングコストの最適化、サービス規模に適した収益構造の再設計」であり、トークン価格に連動しない持続可能な経済設計への転換を図る。 #### 背景 ― 国内Web3ゲームの構造的苦境 2025年後半以降、国内ブロックチェーンゲーム市場は淘汰局面に入った。運営6年半の「CryptoSpells」、「コインムスメ」が2025年末に終了し、「キャプテン翼 -RIVALS-」も2026年5月にプラットフォーム提供を順次終了、「CODE OF JOKER」に至ってはローンチ前に開発断念した。グローバル統計でも、2025年に生成されたゲーム関連トークンの90%超がローンチ後に価値維持に失敗(Gaming Chronicles調べ)しており、トークンインセンティブに依存したビジネスモデルの限界が露呈している。 #### 業界全体の「脱トークン依存」への転換 一方で、Web3ゲーム市場自体は2026年に約334億ドル(約5.2兆円、前年比22.6%成長)規模に拡大見込みで、プレイヤー数は約1.02億人(前年比72%増)に達する(BlockEden.xyz)。変化は量ではなく構造であり、(1)予算50万ドル以下のインディー開発チームが全Web3プレイヤーの約70%を獲得、(2)ゲーム内経済のステーブルコイン建てへの移行、(3)アカウント抽象化による「ブロックチェーンを意識させないUX」の普及がトレンドとして定着している。元素騎士のリブート方針は、この世界的潮流と軌を一にする。 ## 【事業開発に関するインサイト】 1. Web3ゲームに対するプレイヤーの期待値が高まり、質の高いコンテンツが求められる時代が到来。 2. コミュニティとの連携が成功の鍵になる。 3. 持続可能なビジネスモデルの構築が急務。 出典:NADA NEWS(2026年4月23日)/元素騎士オンライン公式サイト・公式X(2026年4月21日・2月26日)/ファミ通.com(2026年4月22日)/あたらしい経済(2026年4月22日)/ブロックチェーンゲーム インフォ(2026年4月22日)/JinaCoin(2026年4月22日)/おたくま経済新聞(2026年4月24日)/Gaming Chronicles・GAM3S.GG「List of Web3 Game Closures in 2025」/BlockEden.xyz「Web3 Gaming's 2026 Great Reset」(2026年3月)/Bitcoin.com News「Japan Has 12 Million Crypto Users」(2026年4月)
監修

石田陽之(いしだあきひさ)

Cabinet株式会社 代表取締役

2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。

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