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2026年04月18日

三井物産デジタルコモディティーズのジパングコイン、マルチチェーン(パブリックチェーン)展開へ。OP採用およびSolanaへの展開も予定

三井物産デジタルコモディティーズのジパングコイン、マルチチェーン(パブリックチェーン)展開へ。OP採用およびSolanaへの展開も予定
三井物産デジタルコモディティーズ(三井物産100%子会社)は2026年4月17日、貴金属価格連動型暗号資産「ジパングコイン(ZPG)」シリーズをパブリックブロックチェーン上で展開すると発表した。これまでbitFlyer Blockchain開発の「Miyabi」をベースとするプライベートチェーンで発行してきたが、まずはイーサリアムL2である「OPメインネット」で展開を開始し、その後ソラナ(SOL)へ拡大する方針。プライベートとパブリックの両方で発行する体制となる coinpost。 OP採用の理由として、イーサリアムのセキュリティを継承するアーキテクチャ、CoinbaseのBase・ソニーのSoneiumなど主要企業による採用実績、法規制下にある仮想通貨との親和性の3点を挙げた。ソラナについては、高速性・流動性・拡張性に加え、オンチェーンID・AML対応フレームワークが整備されている点を評価。さらにビザのステーブルコイン決済やJPモルガンによるコマーシャルペーパーのトークン化などの活用事例の広がりも採用理由とされた。発行プラットフォームはデジタル資産インフラ大手ファイアブロックスを採用し、GMOコインが4月20日からOPメインネット基盤のジパングコインシリーズを上場予定。 ZPGは2022年2月ローンチの日本初の金(ゴールド)価格連動ステーブルコインで、1ZPG=金1グラムの価格に連動するよう設計され、金現物を担保としている Diamond。世界の金連動型トークン市場ではテザーゴールド(XAUt)が時価総額約912億円、パクソスゴールド(PAXG)が約677億円と先行する一方、ZPGは発行量47,776ZPG(約5億円規模) Noteで相対的に小規模にとどまっていた。パブリックチェーン対応によりグローバルDeFi・個人投資家のアクセスが拡大する。 パートナー企業からはポジティブな発言が相次いだ。OPラボ最高事業責任者カイル・ジェンキ氏は「日本は規制環境の明確さにおいて、オンチェーン金融で最も注目すべき市場のひとつ」 coinpostとコメント。ソラナ財団APAC統括責任者ルー・イン氏は「日本における機関投資家による採用が着実に進展していることを示す意義深い一歩」 coinpostと評価。ファイアブロックスCEOマイケル・シャウロフ氏は「プライベートからパブリックブロックチェーンへの移行は、トークン化が新たな市場を切り拓く転換点」 coinpostと意義を強調した。日本発RWA(現実資産)トークンのグローバル展開という観点で象徴的な動きとなる。 ## 事業開発インサイト ## ① 「商社 × RWAトークン化」は日本の独自競争優位になり得る ── ジパングコインの戦略的含意 三井物産のZPG戦略は、単なるゴールドトークンの発行ではなく、「コモディティ・サプライチェーン × パブリックブロックチェーン」という日本発の独自モデルの確立を意味する。海外勢(Tether Gold、PAX Gold)は金融系発行体だが、三井物産は現物の調達・保管・品質保証のバリューチェーン全体を握る点で構造的優位を持つ。これは、プラチナ・銀・原油・レアメタル・農産物まで拡張可能な汎用トークン化プラットフォームへの発展可能性を秘める。 事業開発への示唆: - 総合商社各社(三菱商事、伊藤忠、丸紅、住友商事、双日)にとって、デジタルコモディティ事業の立ち上げが次の収益源・RWA戦略の中核となりうる局面 - 農協・JOGMEC・石油元売り・電力会社など既存のコモディティ保有・管理主体との連携で、「日本発グローバルRWAプラットフォーム」の構築機会 - 特に日本ブランドの信頼性(品質保証、法規制遵守、監査可能性)を活かした「トラスト型RWA」は、XAUt・PAXGと差別化される商機 ## ## ② 「発行プラットフォーム × チェーン選定 × 国内交換業上場」の3層戦略が、RWAトークンのグローバル展開テンプレートに 今回のアーキテクチャは極めて示唆的だ: 1. 発行プラットフォームの選定 2. チェーンの選定 3. 国内交換業への上場 この「機関基盤 + 複数L1/L2 + 規制内流通」の三層構造は、Circle(USDC)のCCTP戦略、Paxos(USDP/PAXG)のチェーン拡張、Tether(USDT)のOmni→ERC-20→Tron→Solana展開と類似する成功パターン。 事業開発への示唆: - 日本円建てステーブルコイン(JPYC、DCJPY、Progmat Coin)の発行体・運営体は、同等のマルチチェーン戦略に着手する合理性が増す。特にパブリックチェーン対応でDeFi流動性を獲得することが競争条件に - *国内交換業者(bitFlyer、SBI VC、coincheck、GMOコイン、DMM等)は、自社流通の差別化軸として、RWAトークンの品揃え競争が激化。金・銀・プラチナ・不動産・社債・ETFトークン等への拡張が進む - Fireblocks・Copper・BitGo等のカストディ・発行基盤は、日本市場向けのローカルサービス展開に商機。逆に国内プレイヤー(三菱UFJ信託、三井住友信託、Digital Assetsなど)にとっては機関グレードのカストディ・発行基盤事業の立ち上げが急務 ## ## ③ Solana × RWAコンプライアンスが、2026年後半の機関投資家オンランプの主戦場に 注目すべきは、三井物産がSolanaを選定した理由として「プライバシーやコンプライアンス対応を支える各種ツール、オンチェーンID、マネーロンダリング対策(AML)対応フレームワークが整備されている」を挙げた点だ。これはSolanaがイーサリアムを「RWA・機関用途」領域で逆転しつつあることを示す象徴的な事例。Visaのステーブルコイン決済、JPモルガンのコマーシャルペーパーのトークン化、PayPalのPYUSD移行に続く動きで、「機関用途のSolana採用」が連鎖的に増えている。 事業開発への示唆: - 日本の機関投資家向けDeFi/RWA製品を設計する際、デフォルトチェーン選択がEthereum L2からSolana、またはデュアル戦略へシフトする可能性が高い - オンチェーンID・KYC・AMLレイヤーを提供するスタートアップ(World ID、Anchorage、TRM Labs、Chainalysisなど)との連携需要は急拡大。日本発ではLayerXやJPYC周辺のインフラ企業に商機 - *「Solanaエコシステム × 日本企業」の戦略的アライアンスが2026年後半に本格化する兆候。金融機関・商社・不動産会社は、Solana Foundation APACとの直接対話チャネルの構築が中長期的な競争優位につながる - 特に「日本国内で金融ライセンスを持つ発行体 × Solanaエコシステム × 機関グレードのカストディ」の三点セットが、グローバルRWA市場でのポジション確立の鍵となる
監修

石田陽之(いしだあきひさ)

Cabinet株式会社 代表取締役

2017年より、一貫してトークンやNFTの活用、ブロックチェーンゲームの企画・開発、NFTを活用した事業開発に従事。大手エンタメ上場企業を始め、80件以上のブロックチェーンプロダクトに対し事業責任者や設計、PM、アドバイザー等、様々な立場でブロックチェーン関連の事業開発に関わってきた。2021年よりCabinet株式会社を創業。

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